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栽培方法と言えば、有機栽培、特別栽培などが一般的ですが、実際には農薬や化学肥料の使用の有無というモノサシだけでは表現できない、オリジナルの工夫がたくさんあります。
その工夫こそ、安心・安全は当たり前で、その先の美味しさを追求している篤農家の神髄です。
例えば、長野県野辺山高原の高見澤一姓さんは、極限まで水をしぼって(与えない)でトマトを育てています(右写真)。地面にヒビが入っているのが、数か月間、水をやっていない証拠。水をしぼるトマトの栽培方法は比較的一般的ですが、高見澤さんのしぼり方は半端なく、育ったトマトの実は通常よりふたまわりもみまわりも小さいサイズで、旨味がギューッと凝縮されています。
一方、茨城県結城市のファームアベタさんは、日本で数少ない「華おとめ」の生産者。この華おとめという品種は、まさに"乙女ちゃん"で、栽培がとてもデリケートで難しく、ストレスを与えるとへそを曲げて、うまく育ってくれないそうです。深く掘った井戸水をさらに大型浄水器を通して水粒子を細かくしてから与えたり、1粒1粒が太陽の光を浴びるよう手作業で表面に出すなど、水耕栽培で手間暇をかけて育てられています。
静岡県中部・西部を中心に展開する(株)鈴生さん。三兄弟(通称レタス三兄弟)のレタスの美味しさは、土作りもさることながら、収穫時間も一つのカギ。冬場でも気温と相談しながら、できるだけ早い時間に収穫しているのです。氷点下の低温で葉が傷まない限り、夜明け前でも収穫を始め、その日のうちに全て出荷することで、みずみずしい状態でお客様の元に届くようにしています。
貯蔵方法によって美味しくなる場合もあります。岩手県一関市の骨寺村荘園カボチャ研究会の「南部一郎」は、糖度が16〜18度とマンゴー級の甘さで、生で食べられるカボチャ。このカボチャの味のカギを握るのが貯蔵方法です。収穫後にキュアリングという、温度30℃で1ヶ月保管する追熟により、糖度がぐっと上がるのです。
栽培方法はもちろん、収穫や貯蔵など数多くの工夫は、農家が野菜と向き合い、試行錯誤を重ねて生み出されたもの。
その工夫を積み重ねて育てられた野菜だから、農家の台所の野菜は美味しいのです。